男子と会話はできません
どうあっても、恋人だ。
そっか。わたしが悩んでる間に、周りも変わっていくんだ。当たり前だ。気づくのが遅すぎたんだ。
やっぱり、またタイミング間違えた。
視界が揺れる。だけど若槻さんの前で涙なんか見せたくないからぐっと堪えた。
若槻さんだって、どれだけ辛かったんだろうと思う。わたしと市ノ瀬くんが付き合ってる間。だからこの子の前では泣きたくなかったんだ。
「良かったね」と、微笑んで見せた。
「……」
「市ノ瀬くん、バスケばかりやって、いつも振られるって言ってたけど若槻さんだったら理解してくれるだろうし、お似合いだと思うし。そっか、もう幸せなんだね、市ノ瀬くん」
言葉が続かなかった。泣かない、泣かない、意識はそればかり。わたしをそうやって哀しみから守ろうとするだけだ。
「じゃあ、このまま帰るから安心してね。市ノ瀬くんには会わないから」
言い切って、その場を立ち去ろうとした。
「先輩」と、呼び止められた。