鬼系上司は甘えたがり。
社会人にとっての12月は、恋人達の一大イベントを前に怒涛の忙しさに追われる。
もはや、クリスマスが来るから頑張るのか、頑張ったご褒美にクリスマスが来てくれるのか分からなくなりそうなくらい、仕事もプライベートも24日のイブと25日に向けて浮き足立ち、妙なハイ状態をキープしつつ日々は過ぎる。
それでも、ふと気づくと街はクリスマス一色に染まっていて、クリスマスソングや、幻想的な光に覆われるページェント、巨大なモミの木がいつの間にかデーンと現れ人々の目を奪っていたり、財布の紐をゆるゆるに緩めるクリスマスプレゼント商品の数々が世の中に溢ていた。
そんな、とある週末--。
由里子と私は街に繰り出していた。
目的はもちろん、それぞれの彼氏であるイケメンカリスマ美容師の梶忠臣(かじ ただおみ)さんと主任にクリスマスプレゼントを選ぶため。
由里子は早々にハンドクリームや足のマッサージ用クリームという実用性の高いプレゼントを買い終え、私のプレゼント選びにつき合ってくれているのだけど、そんな由里子に申し訳ないと思いつつも、私はちっとも決まらない。