鬼系上司は甘えたがり。
試しにやってみようものなら間違いなく墓穴を掘るのがオチで、スパイス効果で燃えるというより大炎上してしまう。大火傷の重症だ。
由里子の念の押し方に若干恐いものがあった気もするけど、こんなことで主任との仲が危うくなってしまうくらいなら、彼女がアドバイスしてくれた通り洗いざらい話してみるしかない。
私が今一番大切にしなければいけないのは、失くしたペンダントトップではなく(本当は泣きたいくらい悔しい)、自分の保身でもなく。
いつも私に正面から向き合ってくれる主任そのもの--愛しのドSツンデレ彼氏様だ。
「ありがとね。由里子に話を聞いてもらったら落ち込んでた気持ちがだいぶ楽になった」
「そう、よかった。でも私は、奥平さんって人には十分用心したほうがいいと思うよ〜。薪ちゃん、実は密かにモテてるんだよね。社内の人なら主任の目も届くだろうけど、社外の人が相手となると、薪ちゃんがしっかりしなきゃダメなんだからね!主任のためにも!」
「わ、分かった……!」
まだ奥平さんを疑ってるよこの人……と何とも言えない気持ちになりつつも、あまりに由里子が力説するので、その気迫に気圧された私は胸の前でグッと拳を握って返事をする。