鬼系上司は甘えたがり。
 
無闇に逃げ回っていては埒が明かない。

これは一刻も早く主任の元へ帰り着く最短ルートを探さなければ、全力で追ってくる彼にあれよあれよという間に喰われてしまう。


余裕綽々といった表情で微笑む奥平さんに笑顔を返し、まずは腹ごしらえとばかりに、私は残りの鍋をハフハフしながら豪快に掻き込む。

すると奥平さんも負けじと鍋を掻き込みはじめたので、それからの食事は結果的に早食い対決みたくなってしまい、猛烈な満腹感と共に男性である奥平さんの勝利で幕を閉じたのだった。

って、何なんだろう、これ。

でも……お、追いかけっこだけは負けるもんか。










 
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