歪んだ愛情【更新中】
服を着ながら信吾に背を向けた。
信吾の顔がまともに見られない。
美海の後ろで鼻唄を唄いながら信吾は服を着ている。
手に汗をかいている。
鞄から携帯を取り出して、画面を見ると
メールが3件入っていた。
「メール?誰?」
「あ、浅見とマナから」
そう言いながら
千歳のメールを削除した。
メール1件削除してもよろしいですか?
という表示に
はい、というボタンを連打した。
「なんだって?」
「明日の予定」
「明日遊ぶんだっけ?」
「バイトの後に遊ぶかもしれない」
「果南は?」
「んー。用があるみたい」
浅見とマナにはもう口裏を合わせてもらっている。
そのためにわざわざ嘘のメールまで送ってくれた。
「夜ご飯食べてくでしょ?」
もう有無を言わさないような言い方だ。
こうするのが当たり前、
こうなっていくのが当たり前というように
信吾の中で当たり前がたくさんある。
でも今までだったら
美海の中でもそれは当たり前で、
いつの間にかその当たり前は崩れていた。