【完】俺のこと、好きでしょ?
「そ、そんな簡単に諦めていいの?大事な気持ちを……この絵を、そんな簡単に失くしていいの?」
「……うるさい!」
ビリビリッと、取り返しのつかないような音が部屋中に響き渡った。
その悲痛な音は、有馬くんの心の叫びにも思えてた。
無残にも散っていく、半分に引き裂かれた有馬くんの絵。
あたしはそれを、ただ見つめることしかできなかった。
「あんたに何がわかるんだよ……」
低く唸るような声。
初めて聞く有馬くんの、あたしに向けた怒りの声だった。
「いつもそばにいると思ってた存在が、急にどこか遠くの存在に感じて……。俺が行けないような場所に行こうとする棗に、俺がどんな想いでいたか知らないだろう……?」