夢が繋げた未来~何度倒れても諦めないで~
でもそこまでして私たちに教えたかった足りないモノって何?
そもそも勝負に負けて得るモノなんて……。


「あっ……」

「高瀬さん……?」

「そういう事か」


分かった。
先生が、原田選手が、私たちに伝えたい事が。
分かってしまえば簡単な事だけど。
でも見落としがちなものかもしれない。
それは経験しないと分からないから。


「高岡くんの事は私に任せてくれませんか?」

「え?」

「先生が私たちを想ってしてくれた事は間違っていない。
それを証明します」

「高瀬さん、キミはもしかして……」


先生は驚いた様に目を見開くが私は『さあ?』と言ってワザとらしく笑う。
そんな私を見ると先生は泣きそうだった顔を緩めて優しく笑ってくれた。


「やはりキミには敵いません」

「いい意味でですか?」

「勿論ですよ」

「……ふふっ。ありがとうございます」


先生と笑い合えば心が晴れていくのが分かる。
ジワリと広がる想いが幸せだと思えるのは先生と一緒にいるからだ。
やっぱり私は先生が好きなんだ。
そう思うとちょっぴり恥ずかしいけど、先生とだからこうして普通にしていられるんだ。
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