アイドル君と私
「なんか…今日色々聞いちゃったみたいだったから、少しとまどってる?」
「……はいっ」
「咲ちゃん、Retの1stアルバムにね?“Family…”って曲があるんだけど…」
「えっ…?“Family”?」
「うんっ…その曲、廉が作詞してて、多分…母のこと書いてるんだよね?」
「……そうなんですか?ごめんなさいっ…私、知らなくって」
「ううん、私もマネージャーさんから聞いたのっ」
「えっ…?」
「廉がね?その曲の時、なかなか歌えずにレコーディングが進まなかったって…」
「そう…だったんですか?」
「でも廉は辛くても、形にして届けたいからって…」
「……っ」
廉くん、
本当は凄く辛かったはずなのに…。
「でも、あれ以来かな?」
「えっ…?」
「廉は強くなったよ、Retの仕事が忙しくなっていってるのもあるしね―」