アイドル君と私


そして、咲のアパート前に車が停まる。


「今日は、デートしてくれてサンキュ、咲のこと知れて嬉しかったっ」


「私の方こそ、ありがとう…」


「また、誘っていいよねっ?」


勇介は笑顔で咲にそう言った。


それに対して咲はゆっくりうなづく。


「……うん」


「じゃぁ、またね?咲っ」


「また…」


咲が車から降りて、2人は別れた。


部屋に着いて一人、咲は思った。


デート
男の人と、2年ぶりにしてしまった…。


咲はふいに、鏡に映った自分の顔を見る。


「私…前に進んでるのかな?」


これで……大丈夫なのかな?


そして、伏せられた写真立ての前にカバンを置き、咲は寝る支度をすることにー。


その日の夢は、


誰かの声が…ずっと、こだましていたー。



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