三回目のデート

須藤映見

*


 私は本を、パタン……と閉じた。


「……はぁ……
 つい、本に入り込んじゃった」


 この小説、面白かったー。最後の最後に、まさかのどんでん返し。

 いいなぁ、こんな話が書けるなんて。私も、これぐらい面白い絵本が書けるようになりたいなぁ。

 ミニボストンバッグに本をしまった。そのついでにケータイを取り出し、パカッと開いて時間を見た。


(……あ。いつの間にか11時過ぎてる)


 ここに着いたのが10時半すぎだったのに……本のおかげで、全然待ってる感がなかった。

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