約束の小指、誓いの薬指。
『どうかした?元気ないみたいだけど』


「え?」


私は暫く電話越しのその言葉を噛み締めていた。電話が繋がって話したのはたった二言、時間にして10秒に達するかどうか。
そんな短い時間で私の異変に気づいてくれるなんて…。


うん、と頷いて、私は思うがままを話した。


「あのね…、ついに、仲良い友達の中で彼氏がいないのが私だけになってしまったの。
恋人がいなくてもいいじゃないかって思うんだけど、周りの子はそうは思わないみたいで、男の子紹介するよってしつこくて…。

断りながら、彼女は本当に私の為を思ってそんなことを言ってくれているのだろうかとか、彼女の友達と私がくっついたら面白いからじゃないかとか色々考えてしまって。
友達をそんなふうに思ってる自分も嫌で。

もう、疲れた…」


だらだらと愚痴をこぼす私の話を、時折相槌を交えながら聞いてくれている。
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