約束の小指、誓いの薬指。
『そっか。
大変だな。

色々と勘繰ってしまうのは仕方ないよ。実際に面白そうだって思ってるだろうから。もちろん凛音の為ってのもあるとは思うけど。

…ただ、男を紹介ってのは聞き捨てならないんだよな。僕がいるのに別の男を凛音とくっつけようとするのは許せない。


…それもこれも、彼氏がいるって言えれば何も問題は生じないんだろうけどな。
…ごめんな』


現実を冷静に語ったかと思ったら、彼氏としての発言をしてくれて。
私の心は沈んだり跳ね上がったり忙しい。


それでいて最後に謝罪の言葉をもってこられるのは、普通の恋人同士ではないという現実を突き付けられる辛さがある。
ごめんねというのは、過去に対する謝罪と同時に未来への謝罪でもある。
それがすんなり言える愁くんは大人だと思う。だけどズルい。
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