約束の小指、誓いの薬指。
いつになったら言ってもいいの?
声優ってアイドルみたいに恋愛禁止なの?
なんて、奥底で思ってる疑問は言えなくなる。


どうせ言ったところで、困らせてしまうのはわかってる…。


いや、いいんだ。
愁くんのお陰で気持ちが晴れたのは間違いないんだから。


「ううん。
さっきまでモヤモヤしてたけど、愁くんの声聞けて元気になった。

ありがとね」


『僕の方こそ元気になったよ。

…いつか、皆に言える日がくるから。絶対』


「ほんと?」


ぱっと顔が綻んでいくのが自分でもわかる。

いつか…。いつだっていい。その日が来てくれるのならどれだけでも待つ。


愁くんはやっぱり優しい。なんだかんだで私のことを誰よりもわかってくれている。もしかしたら私よりも私のことをわかっているのかもしれない。


今日、会えなくても心が繋がってることを感じることができた。
周りに彼氏のいない可愛そうな女子だと思われても気にしない。気にしなくても気になる時だってあるけれど、きっとどうにかなる。私はお一人様に見えても、そう言われても、心ではきっぱり否定できるんだから!
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