約束の小指、誓いの薬指。
「あぁ、ありがとう。
けど、本当にごめんな。迷惑かけてしまって」


「迷惑だなんて思ってませんよ。

ただ、毎朝出社する時にマスコミの人から囲まれたり、帰宅するときに取材という名のストーキングを受けるくらいです」


「…ごめんなさい」


思いっきり迷惑がってるじゃないか。
でも、言ってくれるだけ有難いか。


「相葉さん、お願いがあります。
今日、家まで送ってくれませんか?

マネージャーの車で来たんですけど、先に帰っちゃってて。
あ、決して先輩をアッシーにしようなんてことは考えてませんよ?」


アッシーじゃなかったら何なんだ?
もしかしたら志水は、この頼み事がメインで僕に話しかけてきたのではないか?


そう思いつつも、せめてもの罪滅ぼしの為に、僕は志水を車に乗せた。
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