約束の小指、誓いの薬指。
その時、携帯が震えた。
表示されたのは、来年度から働く会社の道端さん。
私に内定の電話もくれた、バリバリのキャリアウーマンで綺麗な女性。


「はい、久我です」


『急に電話なんかしてごめんなさいね。
実は大事な話があって…。


毎年、新入社員の中から数人ニューヨーク支部に1年間研修で行ってもらってるんだけど、久我さん興味ないかしら?
もし興味があるなら私から推薦するんだけど…、ただ、もう枠が埋まってしまいそうなの。
それに、出発は3日後なのよね…。

だから、返事は早めに欲しいのだけど…』


3日後。
ニューヨーク支部。
懸念点は準備期間が全くないってことくらい。
まぁそれは、行かない理由にはならないな。


「道端さん。
その研修、参加させてください!」


迷う必要なんてなかった。
よりネイティブな英語を身に付けられる機会があるのなら、掴もうとしないはずがない。
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