約束の小指、誓いの薬指。
「本当?よかったー。
通訳として働くなら、絶対に良い経験になると思うわ。
私も新入社員の時にこの研修に参加したんだけど、他の社員よりも圧倒的に多くのものを吸収できた1年だったと思ってる。
絶対に損は無いはずよ。

それじゃあ、久我さんの名前を担当者に伝えておくわね」


「はい、よろしくお願いします」


数回しか会ったことはないけれど、道端さんは私にとって憧れの存在なんだ。
ここ2週間程ドン底にいた私だけど、一筋の光が差し込んだように思えた。


出発は3日後。
愁くんに会っている時間は無さそうだ。
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