約束の小指、誓いの薬指。
「うん。
あー、変な汗かきっぱなしだったよ」


「僕も心臓が縮み上がる思いだったけど、途中から僕が話題にあがってて面白かったよ。
その争いにまさか凛音が参戦するとは思わなかったけどな」


う…。見事なまでの惨敗の瞬間が思い出される。


「すぐに言い負かされたけど…」


「いいんだよ。
ほら、リビングに戻ろ」


手を差しのべられ、私はその手を握る。ぎゅっと力を込められた腕に引っ張られて、すっと立ち上がる。そのまま愁くんの胸に飛び込む形となった。
勢いがつきすぎた、と思って慌てて離れようとするものの、既に抱き締められ胸のなかに閉じ込められた。
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