Strawberry Night

「こんばんは。てか、そんな吃驚しなくても良くない?相変わらずオーバーリアクションなんだから」

普段通りすぎる彼女を前にして、軽く脱力してしまう。会社帰りとはいえ、ネクタイを締め直し身なりをそれなりに整えてきた自分が何だか小物のように思える。

「…良かった。来てくれないと思ってた」

半分安堵と半分落胆。そんな奇妙な感情が胸に中で駆け巡り彼女の顔を見ることが出来ない。
そんな俺に御構い無しと云わんばかりに、言葉を投げかけることもなく静かに隣の座席に腰をかけて、同タイミングでバーテンダーに注文を尋ねられる。
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