それはいつかの、
いのち。
唐突過ぎる言葉。彼には、私がどのように見えていたのだろう。けれど私は頷いた。深く考えてなんていなかった。ただ、自分の命を誰かに預けるということで、少しでも軽くなりたいと思った。
「君が命を投げ出したら、それは君の命じゃなくて僕の命だから。君の命じゃないから勝手に扱えるし、勝手に扱えないでしょう?」
こくり、と頷く。傍から聞いたら矛盾しまくりな言葉。でも矛盾なんてしていない。
私の命じゃないから、私は私という今までを捨てて生きていける。私の命じゃないから、私は勝手に命を絶つことができない。
私も彼も、きっぱりすっぱり今までを捨てられるわけではないことくらい分かっている。所詮気休め、けれど私には、そしてきっと彼にも、その気休めが必要なのだろうと思う。
セカイを変えることは、たとえ誰がどう頑張ったってできない。全てはカミサマの手の内。私たちはカミサマの掌の上で転がされているだけ。
それでも。
生きているのは、カミサマではなく私だ。どれだけカミサマに人生の道を決められていたとしても、そのレールを歩くのは他でもない私たち地上に生きるヒトだ。
――――だとしたら。
精一杯、今を。生きて生きて、死ぬまで生きて。そしてまたいつか君と。