オフィス・ラブ #3
「なんだかんだ、お似合いですね」
見慣れると。
衝撃のほうが大きすぎて、なかなかそこに思いが至らなかったけれど。
今日のふたりを見ていて、改めて感じた。
「うらやましくなったか?」
新庄さんが、私を見おろしながら、少し眉を上げる。
私は、うーん、と考えこんだ。
いざ、その選択肢が手の中に転がりこんでくると。
やっぱり、まだぴんと来ない。
確かに、いつか誰かと家庭を持って、子供を作って、というのは、漠然と夢見るけれど。
正直にそう言うと、新庄さんが、信じられないというような顔をした。
「いつか、誰かと、だと?」
あ。
「違います、一般論として…」
「誰が、一般を論じてる」
慌てて弁解しても遅く。
新庄さんは不機嫌に吐き捨てると、私の横に、再びあおむけに身を投げた。
しまった、へそ曲げちゃった。
「新庄さんとに、決まってます」
その横に座って、ご機嫌をとってみる。
新庄さんは目を閉じて、顔を覆うように腕を乗せていた。
「ぴんと来てないくせに」
「…ぴんと来るものなんですか」
新庄さんも、昔、ぴんと来たんですか。
つい、ずっと気になっていたことを尋ねると、新庄さんが腕を外して、驚いたように私を見あげた。