オフィス・ラブ #3
手荒なわけではないけれど、ここまで容赦のない新庄さんは、初めてで。

与えられる感覚が強すぎて、私のあげる声は、たぶん悲鳴に近い。


けどそれは、彼をとめる役には立たず、かえって煽っただけのようだった。




ごめん、とささやく頭を抱く。

まだ荒い息で上下する肩に、口づける。


悔いているのだろう、私の目を見ずに、険しい顔でうつむく。

私は、気分を害してはいなかったので、それを伝えたくて、キスをした。

新庄さんが、控えめに応えるけれど、まだどこか遠慮があって、彼の後悔の深さを感じる。


罪滅ぼしのように、力いっぱい抱きしめてくれる、濡れた背中に腕を回しながら。

私は、漠然とした恐怖に、押しつぶされそうになっていた。



新庄さんが、焦っている。

たぶん彼も、何か、不安で。


そのことが、私を戦慄させる。



新庄さんまでもが揺れてしまったら。


私たちの間に、確かなものなんて。

いったい他に、何があるっていうんだろう。



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