二十歳の約束
それから千葉君は毎日メールをくれた。
そして、たまに電話もくれた。

千葉君が中性的なせいか、これが驚くほど楽しかった。
女子校育ちの私にとって、特別な感情無く、話しやすい男の子は初めてだった。
色んな事なんでも話せた。
とさか君が好きってこと以外は。

それと同時にとさか君からは一切連絡がこなくなった。



私に見られてるのに気づいたのか、とさか君を朝に見かけることはほとんどなくなってしまった。

もう、これはきっと避けられてるな。

千葉君に世話を託して、ガキ臭くてダサい女から逃げたのだな。
またしても、勝手に悪い方へとかんがえてしまってた。

こんなことをなっちに相談してたら、もう自分から動くしかないと。
もうすぐバレンタインだと。

「勇気出して動かないと、登坂君にあゆこの気持ち伝わらないよ」

なっちの言う通りである。
傷つくのが怖くて、ひたすら受け身で何にもしてなかったな、わたし。



< 16 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop