二十歳の約束

桜の季節。
私は高校生になった。

と、言っても中高一貫の女子校、キャンパスも制服も同じ。

違うことは校則で髪を束ねなくてよくなったこと。
三クラスだった中学から、外部からの生徒が入ってきて、12クラスになったこと。

それでも奇跡的になっちと同じクラスになれた。


高1になった私の気がかりなこと。

それは、
赤いスニーカーの人が卒業してるんじゃないか?

もし、昨年度高3だったなら、今年はもういない。

ドキドキしながら、またいつものようにチェックしてみる。


見えた。
赤いスニーカー。

改札前のいつもの場所でスタンバイ。

やっぱり彼がいた。

前と変わらず、楽しそうに話ながら通学してる。

「なっちー!!まだいた!赤いスニーカーの人!!」

彼が高2か高3だってことがわかっただけで嬉しかった。
< 2 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop