ゴールデン☆キャット
静まり返った教室に放送の音が鳴り響いた。



「間もなく午後の部が始まります。 生徒のみなさんは速やかにグラウンドへ移動して下さい。 繰り返します__」



その放送を合図に、みんなはいそいそと外に出始めた。


私は床に投げ飛ばされたお弁当を拾った。


あ!


桐生君におれ__。


教室内を見渡しても桐生君の姿はもうどこにもなかった。


お礼、言えなかった。


気付けば教室に一人になってしまっていた。


お弁当を自席に置いて私も外に出た。


けどそのままグラウンドに向かう気にはなれなくて、旧体育倉庫裏に来てしまった。


座って壁に背を付けた。


なんかもう、疲れた……。


顔を膝に埋めると、自然と涙が流れだした。
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