この平凡から抜け出したの



「あのぅ…来ると予想していたとはーー
いったい?」



「あぁ…すまなかった。」

思い出したかのように紳士は
かぶっていた帽子をとり、
キリカの正面になおり




「俺の名前は、ジャックス・ホーリー
ジャックとでも呼んでくれるといい。」



「お嬢さんとは長い付き合いになると思う。」



「あっお嬢さんじゃなくてっ
キリカって言います。」


「あぁよろしくキリカ。」

そう言って紳士は帽子をかぶり直した。

「よろしくお願いします?
ジャックさん。」









路地裏でいきなり会ったけどすぐに打ち解けられて何とも不思議な展開だった。




キリカは重大なことを思い出した。





『おやおやレディ……こんなところにいたのか……探したよ。』



おっさんっ!!!!



ヤバイなんかやっぱ怖いおっさんは
ほんとトラウマになりそうな勢いで変人だ


だがいまの私にはジャックさんがいる

私は素早くジャックさんの後ろに隠れた。

どうでもいいが、おっさんもだけどおっさんよりジャックさんって高身長だなーと心の奥底で思った。



「ジャックさん助けてくださいっ
この変なおっさんに朝部屋に不法侵入されて、お姫様抱っこもされて挙句にはストーカー宣言をっ!」


ジャックさんの、コートを握って言い放った。



「アストラスかこれはまた意外なヤツが現れたな。」



えっ?アスなんたらっておっさんのことかな?




『ジャック……。私のレディから離れてもらえるかな?』


二人とも知り合い?
てか私のって頭やられたの?おっさん


「嫌だ…… と言ったら?」


『ジャック。』


「はいはいそーおっかねぇー顔するな。」



おっさんは怒ってるのか?表情がわからない。



「でもこのお嬢さんはあんたのところには行きたくないそうだが?」



そういった瞬間私はヒョイっとジャックさんに抱き抱えられた、微かにタバコの香りがする。




『ジャック、その手を離せ。私のものに唾をつけるきか。』



あっ怒ってる私でもわかるくらいに。
でもなんでだろ
……っ?!


ジャックさんが急に横を向いて私と目が合った。そして首元へ顔を近づけた。

息が微かにかかりくすぐったい。




ベロォ……



「?!??!!!」

何が起こったか理解するのに時間はいらなかったジャックさんが私の首元を
舐めた?!

ジャックさんの行動に私が焦っている


その時、凄い勢いの向かい風が来たとおもえば
私はおっさんの腕の中に収まっていた。

まさに一瞬の出来事であった。






『私をそんなに怒らせたいか。』



「悪い悪いついうっかり……な?」


そう言いながらジャックさんは腕に収まっていた私の横を通り

「すまんな、驚かして。」
ぽんぽんっと頭を軽く撫でられた。







私はおっさんに下ろされてから
おっさんが私と目を合わせてくれない。

怒ってるのかと思い一応謝ろうと

「あの…おっさっ……すみません」


『いやっ悪いのはレディじゃないよ
それより』

と私の方をチラチラみて、キモチわっ…
ゲフンゲフン



『いくら14でもその格好はレディにふさわしくない…////』




今の姿を見て私は絶望した。

確か私は気が動転してて気にしてなかった


まだ寝巻きのままで、その容姿は


乱れたかみ、何故か一部赤い首筋
お尻が隠れるくらいの大きい長袖に
生足だった。



私は無意識におっさんを殴った。









おっさんは自分の着ていた上着を私に着せてくれた。このおっさんからは香水の匂いがした。

私は家までとりあえず戻ることにした。

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