嵯峨野夢譚(さがのむたん)

嵯峨野夢譚59

高まる読経と燃え上がる炎に棺は燃え尽き、煙が立ち上り
みるみる鎮火しました。高僧が清めの酒と水を振舞います。
棺は白い灰の中に燃え落ちます。赤い輝きが中心部に残って
この世に名残を惜しんでいるように見えます。

とその時、ぽつりぽつりと雨が降り出しました。
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