~Lion Kiss~
「マヒル、君を諦めきれない!
……僕考えたんだ。
……僕のお祖父様も、父も愛人がいたんだよ。だから」

何を言い出すのだろう、この人は。

早鐘のような心臓が痛い。

私は全身が冷たくなっていくのを止められなかった。

「ね?僕とマヒルがこれからも一緒にいる方法として、お祖父様や父のように」

治人さんがフフフと笑った。

「こっち向いて、マヒル。……キスしたいから」

嫌だ、嫌だ、誰か助けて!

その時だった。

「有川さん」

低い声が響き、治人さんの身体がぐらついて、私との間に距離が生まれた。

信じられなかった。
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