~Lion Kiss~
「あんなイカれた御曹司なんぞ忘れてさ、進みな、次の恋に」

「当分恋愛は休もっかなー」

「ライオンはどーすんの、勿体ない!」

私はカフェの天井に連なる、お気に入りのランプを見つめて來也の顔を思い返した。

「ライオンはね、ライオンだけあって、獲物が多いみたいよ?翔吾くんが女性と腕組んで歩いてるの見たって言ってたし、本人も週末は大抵、女抱き締めて寝てるって言ってたし、特定の彼女がいないだけで、付き合ってる女は何人かいるんじゃないかな」

柚希は眉を寄せた。

「なんか嫌な奴だな!」

私は思わず笑った。

「それがね、嫌な感じじゃないんだよね。そーだろーなー、て感じ。女がほっとくわけないルックスでさ、キスなんて朝飯前って感じ」
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