~Lion Kiss~
「なんか今日はいつもより口調が優しいね」

だって、俺様度が低いんだもの。

それに、会社に迎えに来てだなんて。

來也がフッと笑った。

「優しくしないと断られるかも知れないし」

「いつも通りでも断らないよ。それに、私が行ってもいいの?」

來也とはあれ以来会っていなかった。

仕事が一段落したら会って話すからと言った來也を、私はずっと待っていた。

「俺に会いたいだろ?来いよ」

「うん、会いたい。來也は?」

「惚れた女に会いたいのは当たり前だろ」

「…………」
 
來也の低くて艶やかな声が、私の顔を赤くした。
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