~Lion Kiss~
なんか急に恥ずかしくなってきた。

焦って辺りを見回す。

だってまだオフィスだ。

「15階の総合受付には話しておくから、着いたら23階まできて。待ってるから」

「分かった。後でね」

はあー、やっぱり來也は素敵。

「あいたいー」

「うわああっ!」

真後ろから声がして、私は心臓が口から出そうになった。

咄嗟に振り返ると、中川くんがめちゃくちゃニヤニヤしていた。

多分、全部聞かれてたんだ。

頬がカアッと熱くなって、私は両手で顔に触れた。
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