~Lion Kiss~
「秋って……随分ザックリしてるな」

私は來也の胸に頬を寄せたまま答えた。

「加工技術者達は先に現地入りしてるけど、私達手配グループは、早くて10月かな」

「俺と離れて……後悔すんなよ」

私は少し身を起こして、來也の瞳を見つめた。

切れ長の眼は私を一瞬だけ捉えると、フイッとよそを向く。

「俺は相澤ホールディングスに入る」

「……うん」

「約束はしないし、待たないからな。イイ女が現れたら結婚しちまうかも知れねーからな」

ズキッと胸が痛む。

……だけどこれは、自分自身の選択だ。

「分かってる」

來也がムッとしたように私を睨んだ。
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