~Lion Kiss~
ディンは一瞬瞳を伏せたが、すぐに私を見てフワリと笑った。

「そっか……残念だけど、俺はマヒルを応援するよ。頑張って、マヒル」

「ありがと、ディン」

ダイヤモンド・オーロラホテル側が用意してくれたアパートまでディンに送ってもらって、私はホッと息をついた。

この一年間、こっちで働きながら來也との事を考え続けた。

一年前は、來也と将来を共に歩む覚悟がなかった。

私と結婚して、來也が周りからバカにされたり、笑われたりしたらどうしようとか、私自身が大企業の御曹司を夫に持つ事へのプレッシャーに耐えられるのかすごく不安だったから。

でも、こっちで働いて思ったんだ。

思いきり頑張ってみたら、道は開けるって。

やらずに諦めるより、挑戦して失敗する方が私らしい。

そう。
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