~Lion Kiss~
失敗しても、後悔だけはしたくない。

一年前の私は、來也をガッカリさせたくないという気持ちが大きかった。

でも、そう思っていた私は、今はもういない。

私は、アパートのドアを開ける前に夜空を見上げた。

大通りから何本も奥に入って見上げた空は、うっすらと雲がかっていたが、風のせいでその流れは早く、三日月に絡み付くようにしてから去っていく様子は綺麗だった。

その薄い雲はまるでこの国から去ろうとしている私のようで、私は微笑みながら小さく呟いた。

「さよなら、マレーシア」
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