First Kiss〜先生と私の24ヵ月〜

S1 親友との出会い

今日の空のように私の心もかなり憂鬱。

窓から今にも泣き出しそうな空を見上げると、私は唇をかみ締める。

泣いたら負けだ。

またお母さんやお姉ちゃんたちに笑われる。

「いろはは泣いてばっかり。頭が悪いからじゃないの」

かずは姉ちゃんの言葉はいつも痛い。

「この子は何やらせてもほんとにダメだよね」

笑いながらあきは姉ちゃんも言う。

お母さんは満足そうにお姉ちゃんたちの間で笑ってる。

負けるものか、負けるものか。

涙が目の端をひんやりと濡らす。

雫がこぼれる前に家を出た。


私、黒川いろは。

小学6年。

誕生日は10月10日体育の日。

今のマンションに引っ越してきて1ヵ月。

お父さん、お母さん、かずは姉ちゃん、あきは姉ちゃん、私の5人暮らし。

かずは姉ちゃんとは6歳、あきは姉ちゃんとは3歳年が離れている。

かずは姉ちゃんもあきは姉ちゃんも私立の女子校に幼稚園から通っている。

私もおんなじ学校を幼稚園のときも受けたし、小学校に入るときも受けた。

でもどちらも全滅。

勉強熱心なお母さんはそんな出来の悪い私が嫌い。

お母さんは頭のいい子しか好きじゃないんだ。
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