理想の彼氏
フラフラと町を
歩いていると、
いつものように
バカな男が近寄ってくる

「お姉さん♪
高校生なのに
大人っぽいね~!
俺と遊ばない?」

明らかうっとうしそうに
顔をしかめながら
無視して歩き続ける
なのに、今日の男は
しつこかった

「ねぇ!
シカトしてないでさ~
行こ?」

男がギュッと
腕をつかんできた
その瞬間…
私の中で
プチっと音がした

『…てめー、
不細工のくせに
しゃしゃってんじゃ
ねーよ!!
この汚い手を離せ!!』

男はその言葉に
キレたのか、
顔を真っ赤にさせて
来い!と叫んで私の腕を
思いっきり引っ張った

『やめろよ!!!』

しかし、男の力には
勝てない

ヤバイ!
そう思った瞬間、
反対側の腕を
思いっきり引っ張られた

驚いてその
引っ張った人を見ると、
ものすごくキレイな
顔立ちの男が
気だるそうに
私の腕を持っていた

「なんだよ、てめー?」

ナンパ男が睨んだ

すると、その美男子は
フワリと品良く笑って
頭を下げた

「口が悪くて
すみません。
こいつ、俺の女なんで。
手、離してやって
くれませんかね?」

ナンパ男は
バツが悪そうに
逃げて行った

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