理想の彼氏

「……れ………から」

『はぇっ?』

あまりに声が小さくて
変な聞き方をすると、
隼人は顔を上げて
真っ直ぐ私を見た

「俺………
諦めないよ
兄貴の彼女だろーが
関係ない」

そう宣言して、
またいつものように
去って行った

いやいや…関係
ありまくりでしょって!
困るよ~ぉ
せっっかく、
幸せ見つけたのに

『はぁ~ぁ……』

ため息を吐いて、
彰に電話した

《――はい》

『彰?今日、
会えないかなぁ?』

《ん~今日はちょっと
生徒が相談ある
らしいから、迎えには
行けねーけどコンビニ
とかで待ってられるなら
大丈夫だぞ》

『じゃあ、待ってる
早めに来てね?』

《おう
学校頑張れよー》

『彰もね』

電話を切ってから
憂鬱な気分で
学校に向かった

『おは~』

有紗が私に気づいて
駆け寄ってきた


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