君とのキスの意味
「ありがとうございます。でも、大丈夫だと思います」

「俺が担当だったら、喜んで行くんだけどな~」

小野田( おのだ )さんが、唇の端を上げて笑いながら言った。

イヤ、小野田さんが愛妻家で、可愛い娘さん達の下僕なの、知ってますから。

「また、話聞くから、とりあえずがんばってこい!」

川村( かわむら )さんが、いつもの労るような笑みを浮かべながら言う。

「お願いします」

俺は、苦笑しながら言った。

「もう!宮前( みやまえ )君が行けばいいじゃない!どうせ、たいした話じゃないんだから」

隣の席の宮前の背中を叩いて、村瀬君が言った。

「いっ!なっ、何で自分なんですか?」

宮前が、控えめに抗議する。

「宮前君なら、危険がないからよ!」

「っ!」

宮前は、とりあえず言いたい事を飲み込んだようだ。

他のみんなは、宮前にいつもの如く同情の視線を向けた。

営業一課の紹介が終わったところで・・・

俺は、塚本 陽平 今年26才になる。

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