君とのキスの意味
なんで水野君なんだよ・・・!

「宮前が言った事は誤解だ。俺は、白石さんと付き合ってない!」

斜め前に座る水野君を、チラッチラッと見ながら、何度も心の中で言う。

う~・・・ちゃんと話せる時は、いつだろう・・・?

水野君に見えない壁ができたのは、宮前に話を聞いたせい?

でも、その前から壁はあったような・・・

宮前は、水野君が白石さんの事を「知っていた」と言っていたが・・・

いくら考えても、俺にはわからない。

俺は、グルグルと同じ事を考えていた・・・


宮前と話して、2日ほど経った土曜日─

夕方、ケータイの着信音が軽やかに鳴る。高野主任からだ。このタイミング・・・悪い予感しかしない。

高野主任は、男女問わず顔が広い。時々、合コンのような飲み会に誘われる事もある。

俺は、そういう飲み会が苦手だ。女の子達にまとわりつかれるのも居心地が悪いし、知らない相手に、気を遣って話すのも疲れる。

気付かなかった事には・・・できないよな・・・

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