白と黒のコーヒータイム
もうすぐ26歳、まさに結婚適齢期、相手にしてみれば軽い気持ちで付き合うことが出来ないような年齢になってきたことは避けようのない事実だ。

ということは国見自身も相手に求めるものを妥協する訳にはいかないという事になってくる。

「毎日メールや連絡するのは面倒くさい。28歳/製造業」

「価値観が合わないと一緒に居ても辛いだけ。笑うツボが一緒だとかそんな些細な事も意外と大事。24歳/IT関連」

目に入ってくる男性陣の意見が次々と鋭く突き刺さってくる感覚に居た堪れなかった。

不本意ながらも恋愛の為だと毎日メールしていたかもしれない。

いや、していた。

笑うツボとかどの辺だったかも覚えていない、そこは完全にノーマークだったとため息を吐いた。

でも結局はこの人の言葉に尽きるのだろう。

「一緒に居て楽かどうか。それでいて家庭的であれば自然と結婚を意識すると思う。26歳/SE」

無理をしている時点で楽とは正反対の場所に自分はいるのだ。

自分らしく恋愛を出来る相手を見付けるにはやはり真柴のいう事を参考にした方がいいのかもしれない。

「はあ…。」

国見はため息と共に天井を仰ぐと諦めた様に手探りで雑誌を閉じた。





名村を分析する。

そんなことを言われてもまず何から取り組んでいいのか分からなかった。

一人休憩室で窓の外を眺めながら国見はぼんやりと考えてみる。

半分しか手を付けていないお気に入りのパスタをフォークに絡めながら思い付く限り挙げてみることにした。

「分析…男?」

何かをしないと前に進めないことは分かるのでとりあえず考えてはみる。

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