白と黒のコーヒータイム
「光希は俺の妹だから。」

迎え撃とうと構えていたが、まさかの方向から突拍子もない爆弾発言にさすがの国見も背中を丸める。

「…は?」

動揺を全て白紙にしてしまう位の威力をもった言葉だけに力が抜けそうになった。

なんだ今の発言は。

「妹?光希ちゃんが…?」

声にしてようやく自分が何を聞かされたのかと染み込んでくるようで、じわじわとした感覚に首を傾げる。

「彼女じゃないの?」

「正真正銘、光希は血の繋がった俺の妹。」

「…はあ?」

どういうことだ、さっぱり意味が分からない。

今まで国見は幾度となく名村との会話のなかで光希の存在に触れてきた。

それも名村とは長く付き合っている彼女であることが大前提での内容が殆どだ。

「でも一回も違うって言わなかったじゃない。」

「そうだとも言ってない。」

「いやいやいや。」

長年付き合っていると思っていた光希という彼女が妹だったなんてそんなの信じられる訳がない。

「でも彼女はいるって言ってたよね?」

「いつの話だよ。いるいないの話をハッキリとしたのは入社当時だけだろ?」

確かにそれ以降に確認するようなことはしていなかったから最新情報は数年前に遡ることになるのか。

しかしそれだと納得がいかないのは国見だ。

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