生徒に恋しちゃいました
「駅前の本屋に用があったんだよ。
学校の近く、大きいとこないから」

学校の最寄駅は各駅しか止まらない小さな駅で書店に限らずお店が少ない。
私のアパートのあるこの街は比較的栄えていて駅前に中規模のショッピングセンターがあるからうちの生徒を見かけることも多い。

結城くんがいても、不思議じゃないか。

「別に遠慮しなくていいじゃん。誰かに見られたって別に疚しいことも無いんだし」

「あ、そういう心配は全くしてなかった。 単に重いから悪いなって」

結城くんは桃子センセイらしいねと言って、クスリと笑った。

「桃子センセイには重いだろうけど、俺にはそんな重くないから」

結局、お言葉に甘えて近くまで運んで貰うことにした。


大きな下り坂をのんびり歩く。

澄みきった青い空が段々と茜色に染まっていく。そのグラデーションがはっとする程美しかった。

「ね、結城くん。夕焼けきれいねー」
「見て、桃子センセ。 空がすっげー綺麗」

私が横を歩く結城くんに声をかけたのとほぼ同時に結城くんもこちらを向いた。

目が合って、二人同時に笑い出す。

「「ぷっ。かぶった〜」」










































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