生徒に恋しちゃいました

「きゃー。 ダメ、ダメだよ」

焦った桃子センセイの掌に俺の唇は止められた。

「やっぱり気持ち悪い？」

リハビリはうまくいってるように見えたけど、キスは早かったのかな？

「・・・違うけど」

「じゃ、なに？」

「結城くんは生徒だもん。 やっぱりダメだよ」

「ふーん。じゃ、生徒じゃなかったらいいんだ」

「えぇ？」

「いいよ。

卒業までなんて、あと半年くらい？ 桃子センセイが俺のものになってくれるなら、そのくらい全然待つ」

桃子センセイは怪訝そうに首を傾げた。

そんな些細な仕草も可愛く思えるから、不思議だ。



「結城くんモテるのに、私なんかの何を気に入ったの？」

「なんだろうね？

あぁ、気持ち悪いじゃなくて気持ちいいって言わせてみたくなったのかも」

「な、何言って・・・」

「あ、今エロいこと考えたでしょ！？」

「ち、違います！！」



何にでも一生懸命で、

子供っぽいくせにちゃんと大人で、

俺の言動一つ一つにいちいち反応してくれて、


ずっと見ていたいって、思ったんだ。

ずっと、

俺が一番近くで、

桃子センセイを見ていたい。