世界で一番ソラに恋した。
一、茜空
ざわざわした放課後の教室で、お菓子を食べながら課題を皆で片づけていた。
それでも、最初だけしか真面目にやらず、話し出すのはもっぱら恋の話ばかりで……。

「やっぱ、超かっこいいよね、岳(たけ)君って」
「分かる。オーラが違う。モテオーラ出過ぎ!」
「でも、私、同中だったけど、彼女居たこと見たことないよ」

「まじ!?」
「ヤバくない!? 初めての彼女になっちゃう?」

皆が騒いでる岳くんって、確か生徒会長になった人だよね?
眼鏡で背が高くて、いつも背中をピンとして廊下を歩いているような。

「私はパスかな。可愛い男の子が好きだし」
私の隣で、さっさと課題を終わらせた奈菜(ナナ)が、肘を付きながら紙パックのジュースを飲みながら言う。
ストパーをかけてないのに、肩まで伸びた茶色の髪の毛は、真っ直ぐでサラサラで。
あまり口数は多くないけど、一緒にいて奈菜は一番話しやすい。


「私も、ちょっと背が高すぎて無理かな」
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