世界で一番ソラに恋した。
ぐぐぐと、背伸びをする。

奈菜が、朝起きたらすぐに背伸びすれば背が伸びると言っていた。

だから、私は暇さえあれば背伸びしてるけど。


どうせなら、空に一番近い場所で背伸びした方が、伸びる気配がする。

効果は今のところ抜群で、二ミリ伸びている。
きっと一年続けたら、2センチは伸びる計算だ。

「伸びろ、伸びろ~~」

太陽を押し上げるように両手を上げる。
今年の花火大会は無理でも、来年ぐらいまでは二センチ!

「ぷ」

背後から、誰か人の気配がして、思わず固まる。

「ぷぷぷ」

「だ、誰!?」

カバンを抱きしめて思わず後ずさると、給水タンクの裏に、足が見えた。

しかも、スリッパの色が青だから――同じ二年生?


「ぷはっ あはははは、駄目だ。ごめん、限界っ」


ズルズルと床へずり倒れながらその人は、お腹を抑えて笑っている。

ぎゃあああ。

顔が茹でたこみたいに真っ赤になって行くのが分かる。
ひ、人がせっかく内緒で頑張っていた儀式を。

「み、見たな! 見た人はい、生かしておけぬうううう」

パニックのまま、カバンを持ってその人へ近づくと、思いっきり目があった。
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