嫉妬深い狼と同棲生活?!





その日の帰り---







「ユカリが結婚かぁ…。
何か信じられないねぇ。」

「そりゃあまだ俺らが高校生やからやろ。」





それにまだ結婚しぃひんし。


と祥一が言う。





「でも卒業なんてあっという間だよ?」

「まぁ、そうやけど…。」

「ユカリがこんなに早く結婚なんて…
寂しくなっちゃうなぁ。」





私とか秦山とか

いつ結婚するんだろうね?





と紗香が呟けば
祥一は少し黙って

先ほどのことを思い出していた。






「…な、なぁ小林…。
フォローのつもりでもあれは言い過ぎちゃう?」



その、不意打ちすぎて
俺もうまく反応できひんかったやん!

と祥一が言う。



それに対して紗香が
歩きながら小さく答える。





「…フォローじゃないし。」

「え?」

「だから…フォローじゃなくて
本気で言ってるってこと!」




と後ろを振り返って祥一に言う。



その言葉に祥一は
ポカンと口を上げながら





「…え?ちょ、…え、えぇ?!」





と、徐々に顔に熱を集めた。


顔を赤くして口元を押さえながら
立ち止まる祥一に

紗香は呆れたように小さく笑いながら






「もう…、早く帰るよ?」






と祥一の腕を掴み
うぇ?!と言う祥一を気にしない様子で前に進み歩く。






「っ…し、知ってるやろうけど、俺は…!」

「今はいいの。」

「…へ…。」





そう言った紗香に
祥一はえ?と驚いた顔で紗香を見る。







「でも後々、惚れさせて見せるから。」





覚悟しなさいよ?


と自信満々に満面の笑みを向ける紗香に

祥一が不意にもドキッとしたのは
また別のお話-----。




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