嫉妬深い狼と同棲生活?!





「…あ、菓子パン娘や。」





それから窓を見たり廊下を歩くと度々
あの菓子パンの子を見かけるようになった。




(…あ、転けた!)




体育の授業の時なんか
教室から眺めててもあの子を見つけられるようになってて。


1人で授業中にクスクス笑ってると





「…おいハタ気持ち悪りぃぞ。」

「え?あー、すんまへん。」




後ろの席の斎藤に引かれたりってのも
よくある光景に。




(だってあの子…見ててオモロいんやもん。)





体育で調子いいとめっちゃ
ピョンピョン飛び跳ねるし

たまに大事な時転けるし

廊下で見かける時は大体
小林探してウロチョロしてる時やし。





何か見てて
小動物みたいっていうか

"頑張ってる生き物"

って感じやから。








「ねぇ祥一?聞いてる?」

「え?」








それからや。

俺がおかしくなったんは。




彼女が話しかけてるのに

どっか上の空ってのが多くなって。



気づけばキスもしなくなってて。



ついには

"あいつ"に彼女といる所を
見られたくないって思うようにまで。





そんで気付いたら






「…ごめん、別れよ。」







俺から別れを告げているのが
いつものパターンに。




理由は自分でも分かっておらんかったけど

彼女といるとどこか罪悪感を感じてる自分には気付いてて。

耐えられんくて
別れを告げるんや。






(……はぁ、ダメや。何やねんこれ。)






気付いたら1年の間に
6人の元カノができてて。

2ヶ月ペースで
学年も様々に付き合ってたらしい。



…正直
悪いけどあんまり記憶にない。



キスなんてやっとらんし
手を繋ぐくらいで止まってた、皆。


思い出も全然ない。




…何やこれ、何してるんや俺。






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