マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「 Bonjour. 」

若い女性と中年の女性が、そう挨拶して事務局に入って来た。

「アナスタシアさんね。ようこそ。初めまし
て。」(仏)

シモーヌさんと挨拶を交わし、握手をした。

……あ……!

ドクンと心臓が脈打つのが、分かった。
この人だ。

私が憧れてやまない曲を今回演奏する人。

ドクン。

梁瀬さんの指揮で、あの曲をオーケストラと共に演奏する。

ドクン、ドクン。

大人っぽいけど多分、私より若い。

……嫌だ。

嫉妬なんて感情、もう忘れたつもりだったのに







『どうしたの?さっきから心ここにあらず、
って感じなんだけど。』


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