マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
前菜は「サラダ・リヨネーズ」という、サラダの上にカリカリベーコンとポーチドエッグが載ったもの。ここでは定番のサラダだそうだ。


店に着くなり、パトリックは、

「食事取り止めになったって。シモーヌが彼
女に伝えたら、激怒してそのお店に向かった
ってさ。」(仏)

と、言ってきた。

「……は。よかった。」(仏)

ほっとする。


「どうやら、カナデと食事に行こうとしてた
店は元々その彼女と行く予定だったんだけれ
ど、男の方が都合悪くなって、行けなくなっ
たから予約キャンセルしておくよ、ってウソ
つかれてたみたいなんだ。」(仏)

「それは、酷い。」(仏)

なんちゅうやっちゃ。

「嘘も悪知恵もほどほどにしとかないとね 」
(仏)




……全くだ。
今度リハーサルで集中攻撃してやろうか。
皿の中のポーチドエッグにフォークを入れた。


「なあんだ。誘って貰えて喜んでたら、そう
いう事だったんだ。」(仏)

それまでの経緯を話すと、アーデルハイトさんは少し不満顔を覗かせた。

「あー、申し訳ない。ホント、そうだよね。
ダシに使われて気分よくないよね。」(仏)


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