生徒会長と恋の罠




「‥‥で、失恋の傷は癒えたの?」

「っ‥‥ちょ、何で知ってるの!?」


危なく飲んでいたミルクティを書類にこぼすところだった。

慌てる私をよそに、ちらりとこちらを一瞥してきた彼は静かに答えた。


「大和が言ってた」

「あのエセ紳士‥‥!」


この場にいない副会長である彼の顔が脳内を過った。



「"ミオリさんは失恋したそうなので、暫くそっとしておきましょう”‥‥って、」

「‥‥あの眼鏡‥‥今度会ったら割ってやる」

「やめておいたら?‥‥キミじゃ大和に勝てないよ」

「た、確かに‥‥」


彼と幼なじみである成瀬くんに止められた。

そうだよ‥‥今まで仕返しすると、倍返しでしてくるのが腹黒副会長だった。
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