元通りになんてできない
挙式へGo

一緒に歩いていると鷹山さんの様子がおかしかった。
泣きそうな顔をして、涙をこぼすまいと、堪えていた。

きっと、旦那さんの事を思ってる。それでも俺は抱きしめたかった。
胸にしっかり抱いて、ただ、泣き止むまで泣かせてあげたかった。
知里ちゃんを抱いていたから…、それは叶わなかった。
俺の衝動は知里ちゃんで止められていたのに…。

布団に寝かせて、眠っている知里ちゃんを愛おしく見ている鷹山さんが、俺は苦しいくらい愛おしかった…。旦那さんとの子供…愛しくて堪らないんだ。解ってるのに。

俺は…。

俺は、なんて酷い事をしたんだ。
鷹山さんを苦しめるような事…。
…無責任過ぎる。衝動に負け、軽率な事を…。

俺は結婚する。
もう、辞められない。
…俺は、…結婚する。



「ねえ、猛。間に合わない〜。無理〜」

マナミがダイエットが上手くいかないと嘆いている。

女心か…。
着たいドレスのサイズに合わせる為。エステに行きながら無謀なダイエットをする。
体形に合わせて選ばずに、ドレスに体を合わせようとする…。…。
痩せなかったらどうするつもりなのか…。

詰める事も出来るが、多少大きくも出来るらしい…。
…最早、俺には理解できない。最初から合うサイズにすればいいのに。…過剰だ。そんなにダイエットダイエットと呪いのように言わなくてもいいだろうに。

無理〜と言いながら、言い付けを守らず間食もする。
…。ま、無理だな。
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